本・雑誌のレビュー
沖縄もなんだか秋めいてきた。京極夏彦が読みたくなるよね。
思えば高校生の頃、衝撃を受けた作家は京極夏彦先生でした。
初めて出会った作品は「姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)」。ものすごく分厚くて、とてもじゃないけど寝ながら読めない太さ。10cm位あるのではないでしょうか。


▲ 姑獲鳥の夏 映画にもなりましたね。映画はまったくオススメしません。見てしまうけどね。
古典口調のプロローグ。最初は5行ぐらい読むと寝落ちしてましたよ。
初めて出会った作品は「姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)」。ものすごく分厚くて、とてもじゃないけど寝ながら読めない太さ。10cm位あるのではないでしょうか。
▲ 姑獲鳥の夏 映画にもなりましたね。映画はまったくオススメしません。見てしまうけどね。
古典口調のプロローグ。最初は5行ぐらい読むと寝落ちしてましたよ。
ずーっと寝落ちしていたのに、何故か読むのをやめなかった。それはひとえにこの本から漂う異様な佇まいでしょうか。プロローグが終わると、昭和20年代の空気感が漂います。
登場人物の「関口」「京極堂」「榎木津」「木場修」のキャラが立っていて、ちょっぴり腐女子が入っている私はキャラに萌えたりしていました。笑
多分、思うに榎木津ファンはかなりいると思うんですよ。なんたって明るいですからね。迷いがない。千里眼を持っていて破天荒な迷探偵です。時には暴力で解決します。
関口(関くん)は、ダメダメの中二病でグダグダウダウダモヤモヤ、なんともうだつが上がらない方です。でも凡人の私としては関くんにシンパシーを感じることもあります。
木場修は、好みですね~笑。無骨で不器用で女の扱いがわからない。ぶっきらぼうで、でも優しい。少女漫画ですね笑。
一番曲者の「京極堂」こと中禅寺 秋彦氏も格好よいです。憑き物落し。
この京極堂シリーズがやはり一番好きですね。
「憑き物落し」の概念は、私のアイデンティティ形成にも影響しているのではないかと思います。
「この世に不思議なものなど何もないのだよ」
見えないから、わからないから、知らないから、恐怖を感じる。不安になる。不思議と思う。
知ってしまえばその「憑き物」は落ちてしまうのです。
あまりのボリュームに読むのをためらう方もいるかと思いますが、私はこの京極夏彦先生の本を愛読していたおかげで、国語力がみるみる向上し、センター試験で190点/200点満点中 を記録しました。(思えば完全に文系の点数がよかったのに、工学部なんて行ってしまったんだよなぁ・・・)
なので、国語が苦手という方は京極夏彦先生の本を丁寧に読んでみてください。分からない漢字はページを戻ってでも確認してください。そうすれば、きっと国語の点数あがりますから。
・京極堂シリーズでは、一番榎木津主役の「薔薇十字探偵社」の「百器徒然袋――雨」が萌えです。好きです。全般暗いシリーズなんですが、これは痛快です。
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