本・雑誌のレビュー
恩田陸|ユージニア 読了後の感想など

恩田陸さん。デビュー作の「六番目の小夜子」が初めての出会い。
まだ大学に行ってたような気がします…2000年くらいかな?
小夜子という名前に引かれて買いました。そう、わたしはサヤコだから。ただ、それだけ。
ファンタジーともミステリーとも捉えられる、なんとも不思議な作家さんだなぁ…と思っていました。
その後、代表作の「夜のピクニック」などが映画化されていましたが、私は特に興味がなく、その原作も他の作品もあまり読む機会がありませんでした。
ネクロポリスぐらいかな?読んだのは
最近はちょっと時間に余裕ができたので、隙あらば読書でもしてやろうと(元来、インドアなんです。)、ブックオフや漫画創庫に行って、面白そうな本を探しさまよう感じです。
この「ユージニア」は漫画創庫 泡瀬店にて購入。200円でした。
古本って、わたしにとって一番リーズナブルな娯楽。マンガも好きだけどすぐ読んじゃうから費用対効果的な…?コスパ的な?感じかな。
そう、古本ってコストパフォーマンスが良いと思います。
(でも、新進気鋭の作家さんや売れていない作家さんのは新品で買う主義です。愛です、愛。)
さて、本題。ユージニアを読んでの感想。。。
もっとボリューム出せたんじゃないか!?です。笑
なんていうんだろ。恩田陸さんっていう作家さんは、言葉のリズムがゆったりとしていて、なんかミステリーでもふんわりしてて、好きな作家さんです。飄々としている印象もありねちっこい感じはしない方なんですが、ユージニアはもっともっとねちっこく書けたんじゃないか?と思いました。
人物描写も、時間の経過に合わせてもっともっと深堀できそうなキャラクター作りでした。
中心人物の「緋沙子」の人格にももっと迫って欲しかったし、雑賀(さいが)さん兄妹の話ももっと追えたと思うし…。
てか、もっとこの人知りたかったのに!!!という欲望が生まれるくらい、キャラクターに引き込まれました。
作家さんの産みの苦しみを考えると、勝手な事書いてますが。
絶対、恩田さんはSだなw なんか焦らし方がうまいかんじ。キャラクターの内面もチラチラみせているチラリズムな印象なので、私は「恩田陸」を男と思って疑わなかったのに、恩田さん、女性なんですね!びっくりしました。
本題からはずれましたが、ユージニアは、ある大量毒殺事件を巡っての物語です。読みながらなんとも言えない「ゾワゾワ」感がありましたが、最後は「モヤ」っとして終わりました。
ググったら、みんな気になってるのねー。これ、もう一人一人の解釈に委ねられているかんじかな。
とにかく、値段以上の楽しみをこの本はくれました。これを期に、また恩田陸さんの他の作品を読んでみようと思います。
◆作中の「冷たい」の使い方、すごくわかる。
◆夜のピクニック、映画みてみようかな…
◆今週は「さよならドビュッシー」を観に行こうと思う。
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